部下を“正しく叱る”には「し・か・り・ぐ・せ」を押さえるべし<産業医・武神健之>

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 これまで1万人以上を面談した産業医の武神健之です。前回はメンタル不調者を続出させる上司の勘違いとして、組織のルールではなく、価値観の相違を理由として怒ることは、結局は部下のストレス原因になっているという話をしました。

photo by buri

 また、実際には怒っていいときはほとんどないことや、メンタル不調者を出さない上司は、怒るのではなく「叱る技術」を持っているとも述べました。

 今回は、メンタル不調者が出ない組織の上長が持っている「怒らないで叱る技術」についてお話しさせていただきます。

 では、実際にどのように怒ったり、叱ったりすればいいのでしょうか。

 産業医として10年間の経験から、私は怒るときに相手を“承認”すると、それは叱ることになると私は考えます。

「いま・ここ・私」を意識する

 実際に相手を叱るとき、私は以下の3つのことをまずは意識することを提案しています。それは「いま・ここ・私」ということです。

1.いま叱るべきか
2.この場所・この場面で叱るべきか
3.そして私が叱るべきか

 この3つを叱る前に考えてみましょう。そうするとあなたの「叱る」は、相手を承認したことになります。

 叱るべきときは、本当に「いま」なのでしょうか。自分も相手も興奮していては、効果的には叱れません。一呼吸置いてからでは本当に遅いのか改めて考えてみてください。

 また、叱るべきは、本当に「この場所」、「この場面」でしょうか。場所を変え、周りに人がいないほうがいいのではないでしょうか。その方がお互いに一呼吸も置けるのではないか。
 
 そして、叱るべきは、本当に「私」なのでしょうか。どうして、私こそが、叱るべきなのでしょうか。個人として適任だから? それとも、例えば上司という役職のため?

 もし部下の失敗であなたが不利益を被っていないのであれば、あなたが叱らなくてもいいのかもしれません。失敗によって会社が不利益を被り、会社の代表として(または代表の代わりに)あなたが叱るのであれば、そこにあなたの個人的感情が入る理由はありません。

 あなたは、部長などの役職として、部下を叱るべきであり、個人的感情から然るべきでないのは上述の通りです。役職で叱るのですから、そこには個人的感情は不要です。感情的になってしまうのは、己の修行の足りなさだと認識さえできれば、いいのです。

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