【プジョー 3008試乗】これは売れそう!プジョーらしい走りのキレとSUVスタイルが融合

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「日本への導入当初は、年間200台ほど売れていましたが、モデル末期には月10台程度のセールスになってしまいました…」というのは、プジョー・シトロエン・ジャポンのスタッフの方。プジョーのクロスオーバーSUVである初代「3008」についての話です。

今や“先代”となった3008のワールドデビューは、2009年のジュネーブモーターショー。翌年には日本での販売も始まりましたが、まあハッキリいって「鳴かず、飛ばず」。ガイシャを見る機会の多い都内でも、旧3008の歯をむき出しにしたかのようなユニークなマスクを見かけることは、めったにありませんでした。

月10台でも年間では3桁に達しますから、(失礼ながら)「意外に売れたんだなぁ」と変に感心してしまった次第。国内ではある種、貴重なクルマですから、オーナーの方はどうぞ、大切に乗ってあげてください。

いまひとつ存在感を示せなかった初代の3008ですが、今回のニューモデル登場に当たり、インポーターであえるプジョー・シトロエン・ジャポンでは「年間1000台を売りたい!」と鼻息を荒くしています。「いきなり強気に出たな」と思わないでもありませんが、新しい3008の実車を前にすると、「あながち希望的観測でもないな」と感じさせられます。プジョーの新型SUVは、内外ともにググッと魅力が増しているのです。栄えある“ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー 2017”受賞の栄光は、伊達ではありません。

「プジョーといえばコンパクトカー」というイメージが強い同社ですが、今やクルマビジネスの主戦場は、利幅の大きなSUVカテゴリー。プジョー・シトロエン・ジャポンとしても、2017年はこれまで以上に本腰を入れてSUVをプッシュするといいます。

2016年にマイナーチェンジした末弟SUVたる「2008」は、日本でもこの1年間に、約1200台を売る好調ぶり。2017年はメインSUVと嘱望される3008に加え、3列シート7名乗りの「5008」も投入し、一気にプジョーのSUVマーケットを拡大する予定です。期待しましょう!

さて、フルモデルチェンジを果たし、昨2016年のパリサロンで発表された新型プジョー 3008についてです。その名のとおり、プラットフォームは「308」と共通の“EMP2”。308より55mm長い2675mmのホイールベースに、全長4450×全幅1840×全高1630mmのボディを載せます。

国内では、1.6リッター直4ターボ(165馬力/24.5kg-m)と、追って2リッターディーゼルターボ(180馬力/40.8kg-m)がラインナップされます。トランスミッションはトルコン式の6ATで、駆動方式はFF(前輪駆動)のみとなります。

日本導入に当たって「3008 アリュール デビューエディション」(398万円)、「3008 GTライン デビューエディション」(400万円)をそれぞれ80台と180台限定販売としたのですが、なんと! いずれも売り切れ!! 最廉価の「3008 アリュール」(354万円)は受注生産のため、できるだけ早く3008を手に入れたい人は「3008 アリュール LEDパッケージ」(369万円)を狙うしかありません。

3008はヨーロッパ市場でも引く手あまたのため、プジョー・シトロエン・ジャポンでは日本への割り当て台数の確保に苦心している模様。GTライン デビューエディションに相当するカタログモデルも、早々に設定して販売したいとのこと。年間1000台の売り上げ目標は、クルマのタマ不足という、意外なところで足もとをすくわれるかも!?

さて、試乗会当日に用意されていたのは、すでに完売がアナウンスされたGTライン デビューエディション。旧型は、ハッチバックモデルにアウトドアテイストをふりかけたクロスオーバー色の強いクルマでしたが、新型は総体的にゴツく、押し出しの利く、本格SUVらしいスタイルになりました。車高も一段と高くなったように見えますが、意外にも先代より5mm低い数値(1630mm)になっています。

ドアを開けて車内に入ると、分かりやすく新しいインテリアが待っています。“i-Cockpit(アイ・コックピット)”と名付けられたそれは、メーターナセル内に12.3インチの液晶を組み込んでメーター類や必要情報を表示させ、センターには8インチのタッチスクリーンを備えます。エアコン吹き出し口の下には、トグル調のスイッチがズラリと並び、凝った造形のシフターと併せ“コックピット感”を醸します。

新世代のプジョーらしい、低い位置に置かれた小径ステアリングホイールを握って走り始めると、ニュー3008はSUVらしからぬ、クイックな挙動を示します。センター付近の遊びが極小で、ステアリングを切ったとたん、ノーズの向きが、クイッ、クイッと向きを変えます。これまた、いかにもプジョーらしい、かも。

GTライン デビューエディション、そして、近日中に新設されるであろうGTラインは、3008のイメージリーダーといったグレードです。エクステリアのメッキパーツが増え、内装も専用仕様になります。

それ以上に大きな違いが、ギヤレバーの斜め前方に切り替えダイヤルが設けられる“アドバンスドグリップコントロール(ヒルディセントコントロール付き)”機能の有無。

これは、駆動力をムダにすることなく加速するトラクションコントロールと、乱れた挙動を正すスタビリティコントロールとを統合、発展させた機能といえます。駆動輪たる前輪左右を、個別に、しかし連携させてコントロールします。

ドライバーは、ダイヤルを回すことで5つの制御モード(「ノーマル」「スノー」「マッド」「サンド」「ESCオフ」)から、路面状況に合わせたモードを選択。あとは、3008が自動で運転の仕方を変えてくれます。

スノーでは、左右輪に穏やかにトラクションをかけ、タイヤを空転させない。マッドでは、左右輪の回転差をある程度許容し、トラクションがかかる車輪を活かす工夫がなされる。一方、サンドでは、左右輪を擬似的にデフロックして、スタックするのを避ける…といった具合です。

この日、オフロードコースを使ったデモンストレーションでは、後輪を浮かせるようなハードな状況でも左右前輪を上手に活用し、難所を脱出! 4輪駆動のクルマなら、浮いた後輪が多少なりとも回転するものですが、3008はピタリと止まったまま…なのが、印象的でした。

(オンデマンドタイプでない)フルタイム4WD車には、恒常的に走行安定性がアップする、というメリットがありますが、それはさておき、こと悪路走破性に関しては、ガチで「4輪駆動の性能が必要」という人は、意外に限られるのではないでしょうか。降雪量の多い雪国に住んでいる、はたまた頻繁にウインタースポーツに出掛ける…、そんな方には、もちろん4WDが必須です。

一方、「念のため4WD車にしたけれど、結局、ヨンクをフルに使うことはなかったなぁ」と振り返るSUVオーナーの方々は、FFながら、アドバンスドグリップコントロール(ヒルディセントコントロール付き)機能を備えたGTラインを、次期愛車として検討してもいいかもしれません。

いうまでもありませんが、もっぱら都市部で颯爽とSUVを走らせたい! という流行に敏感な人には、新しい3008、オススメです。

ちなみに、プジョー・シトロエン・ジャポンが3008のライバルと考えているのは、メルセデス・ベンツ「GLA」、やMINIの「クロスオーバー」といったクロスオーバー系モデルではなく、スバリ、フォルクスワーゲン「ティグアン」なんだとか。奇しくも、2675mmという同寸のホイールベースに、似たようなサイズのボディを載せる前輪駆動のSUV。横綱フォルクスワーゲンに挑む、小兵プジョー(あくまで日本市場における販売台数からの比喩です)。これは楽しみになってまいりました!

<SPECIFICATIONS>
☆GTライン デビューエディション
ボディサイズ:L4450×W1840×H1630mm
車重:1500kg(パノラミックガラスルーフ装着車)
駆動方式:FF
エンジン:1598cc 直列4気筒 DOHC ターボ
トランスミッション:6速AT
最高出力:165馬力/6000回転
最大トルク:24.5kg-m/1400〜3500回転
価格:400万円

(文&写真/ダン・アオキ)

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