【素朴なギモン】なぜ最新iPhoneと同時にアクセサリーって売ってるの?

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毎年、9月に入る頃になるとiPhoneの新機種発表が話題になります。その時期に先駆けて「次のiPhoneはこうなるらしい」という噂や情報が出回り始め、発表直前の時期には量販店に新機種の「専用アクセサリー」売り場が展開されてムードも盛り上がってきます。

でもこの「新機種専用アクセサリー」、なぜ正式発表前に店頭に並んでいるのでしょう? そのためには発表前から開発・生産されていなければならないわけで、その元になるスペック情報はどこからどう入手しているのでしょう? そんなモバイル・アクセサリー開発の最前線を、メーカーの方に直撃してみました!

■情報公開前に、どうやって開発してるの?

 

今回、お話を伺ったのはモバイル・アクセサリーのメーカーとして人気Hamee(ハミー)さん。神奈川県小田原市の本社を訪ね、プロダクトマネジメント部マネージャー・髙橋雅史さんに根掘り葉掘り聞いてみました。

➖まずは最大の疑問。iPhone発売前に、どうやって開発しているんでしょう。まさか、ネットで出回っているリーク情報を参考にしてるなんてことはないですよね?

高橋:いえ、実はその通りなんです……。

▲活気あふれるオープンな社内。風通しの良さそうなオフィスがヒット商品を生むきっかけ?

➖ええーっ! 取材冒頭の軽い冗談のつもりが、いきなり真相を探り当ててしまったのか!? しかし本当にそんなことが?

高橋:初期段階ではユーザーの皆さんと同じように、海外を含めたネットメディアのリーク情報、「次のiPhoneはこんなサイズになる」とか「こんな機能が搭載されるらしい」という記事なんかも参考にしています。それと、弊社は海外にいくつか拠点があるので、中国の生産拠点の周辺で情報収集をしたりして、集めた材料を多角的に判断しているという感じですね。

➖いや、てっきりメーカーさんには事前にアップルから仕様情報みたいなものが極秘で流されたりしてるものだと思ってました。

高橋:アップルさんから正式な情報をもらうことはないですね。一部パートナー企業などには流れているのかもしれませんが、同業他社もだいたい同様だと思います。だから情報収集の過程で、他のメーカーさんと情報交換したりもしてますよ。

■どういうスケジュールで開発・生産してるんですか?

 

➖そ、そうだったのか……。でもそうなると、発表前に店頭に並べるためには、どんなスケジュールで開発してるんでしょう?

高橋:今、iPhoneはだいたい9月に発表されるので、6~7月あたりが、僕らが一番落ち着かない時期になりますね。日本時間で夜中に行われる正式発表の時は、正座して祈るような気持ちで見る感じですよ(笑)。

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だいたい6月末から7月頭にはかなり精度の高い情報を手に入れておく必要があります。とはいえ、確定発表前ですので、金型から自社で作る製品については、複数案を並行して進行します。そこからサンプルができてきたらチェックして、7月から8月にかけて量産指示を出します。その頃には同時進行でいろんなことが進んでいて、1日単位でいろいろと計算しながら動いてますね。最終的な出荷判断は、9月のアップルからの正式な発表に基づいて行います。

➖しかし正式な情報でない以上、ガセネタも含まれてたりする危険性もあるんじゃないですか?

高橋:ありますね。でも年を追うごとに、どこの情報が信頼性が高いかという判断もだんだんとできてくるようになりました。どっちみち製品が出たら答え合わせができるわけですしね。でも最後は会社としてどこまでリスクを張れるかという判断になってきます。

■“読みが違ってた!”ということはないの?

 

➖様々なリスクを乗り越えて、発売前の製品群が店頭に並ぶわけですね。「しまった、違ってた!」なんてことはないんですか?

高橋:2016年のiPhone 7については回収になる等のトラブルはありませんでした。特に情報が遅いのが、名称なんです。パッケージに印刷するために、iPhoneの商品名が必要じゃないですか。ここはいつも迷わされます。

▲パッケージに入れる「製品名」が悩みのタネとのこと ▲パッケージに入れる「製品名」が悩みのタネとのこと

メーカーさんによってはそこを避けて「2016年NEWモデル」と表記するところもあります。それは無難ではあるんですが、いざ正式に発表されると、今度は量販店側がその表記を嫌がる場合もあるんですね。だからなるべく正式名称を最初から出したい。どうしてもという場合には、発売後にシールを貼って対応する場合もありますが。

➖うわー、神経が休まらない感じですね。

高橋:今回はそれに加えてApple Payの対応もギリギリでした。特に商品のケースを付けた状態で自動改札を通過できないといけないので、そこの検証は実機が手に入るまで慎重に待つことにしました。なので先発で出すのは材質、デザインともにシンプルなもの、リスクの低いものが多くなります。過去の製品を踏襲したものも多く、なるべくババを引かないようにと(笑)。

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先行商品では、背面のカメラレンズ用の穴も少し大きめにして余裕を持たせました。今回からイヤホンジャックがなくなったことについても、空いた部分がどんな機能を持つか分からないので、どう処理するかを検討して。そうした部分は実機で検証して、後発商品からはジャストフィットできるようになっています。

➖逆に後発商品は、メーカーごとの個性が出てくるわけですね。

高橋:そうですね。凝った材質のものだったり、デザインや機能面でギミック性の強いものは後発で、年末商戦や年明けにという感じです。弊社はキャラクターものも力を入れているんですが、そちらは権利元の監修も入ることもあって、やはり後発に回る感じですね。

■アクセサリー開発におけるブランドの個性とは?

 

➖その中で、Hameeさんが大事にしている個性というのは?

高橋:重点を置いているのは「iFace」というシリーズです。耐衝撃性とデザイン性の両立がコンセプトなんですが、それが実現できている商品って、実はなかなかないんですよ。こちらは好評で、おかげさまで自社開発商品の半分を占めるほどの売上になっています。

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また先ほど出たキャラクターものにしてもただ載せればいいのでなく、いかに独自性を出すか。代表例がディズニーキャラのおしり充電器シリーズですね。それから女性向けブランドも力を入れています。こちらもデザインと女性ユーザーに合った使い勝手、それと価格のバランスに神経を使うところです。今後は、トレンドになってきているVRやIoT関連の商品もやっていきたいですね。

➖個性と言えば、衝撃だったのが「白子ポン酢iPhoneカバー」に代表される、食品サンプルシリーズなんですが。

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高橋:若干悪ふざけの路線ですね(笑)。あれは私が開発しました。シリーズでうなぎ→いくらこぼし(こぼし用のいくらが別に付属)→和栗モンブランときて、白子ポン酢。ごはん、デザートときたから、今度はおつまみだろうと。エッジの効いた事例になればと思って作ったんですが、これもおかげさまでメディアの反響は高いですね。もちろん社内でも様々な意見があったんですが、弊社はスピーディーな意志決定の仕組みが確立されているので、そこはやりやすいんです。

 

➖さて、iPhoneの新型が毎年出るとなると、もちろん「次」にも着手しなければならないわけですが……。

高橋:実は次が大変なんです(笑)。iPhone 7の時は、サイズや形は基本的に6から維持で機能アップのみでした。来年はガラッと変わるらしくて、すでにいろいろ情報も出ています。海外駐在のスタッフともいろいろ話しながら、情報収集を練っているところです。

いろいろ教わっていくと、モバイルアクセサリーの開発って、本当に休まるヒマのないお仕事だということがよく分かりました。次の新機種発表がより一層楽しみです!

>> Hamee

(取材・文/高崎計三)

takasaki2-150x150 たかさきけいぞう/ライター

ベースボール・マガジン社、まんだらけを経て現在は(有)ソリタリオ代表。プロレス・格闘技を中心とした編集業をスタートに、編集&ライターとしてさまざまな分野で活動(というよりクビを突っ込む)。Mac歴23年。興味の範囲はプロレス&格闘技(見る方)、音楽(聴く方)、特撮(見る方)、漫画(読む方)など

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