【日産 リーフ氷雪上試乗】“1万分の1秒”の制御とe-ペダルが、氷や雪の上でも驚異の安定性を実現!

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カチカチに凍った氷上を、まずは日産「フェアレディZ NISMO(ニスモ)」で走り始めます。温度は氷点下。時折、強い風によって粉雪が舞う、かなり過酷な状況です。

Zの足下は乾いているので、意外にグリップが高い。ステアリングを切ると、キチンと反応する。せっかくなので(!?)、コーナー手前でアクセルを吹かしてリアを振り出そうとすると、途中で“VDC(ビークルダイナミクスコントロール)”が働いて、つまり、滑り出した車輪に逐次ブレーキがかかるので、曲がりたい方向へクルマのノーズが向く前に、リアのスライドが止められてしまう。ちょっと残念…。

「では!」とばかりに、VDCボタンを長押しして機能を解除すると「アラーッ!」。たちまちZはコントロールを失って、スロットルで向きを変えるところか、真っ直ぐ走るのもままならない。うーん、本当は、こんなにも滑るツルツルの路面だったのですね! 今さらながら、低μ(ミュー)路における電子デバイスのありがたさが見に染みた次第です。

■EVは、エンジン車よりも精密な車体制御が可能!?

日産自動車の氷上・雪上試乗会が、長野県は女神湖で開催されました。「ニッサン・インテリジェント・モビリティ」=「楽しく」、「自信が持て」、そして「便利な」体験を、実感するためのイベントです。

例えば“インテリジェント 4×4”を搭載するSUV「エクストレイル」は、エンジントルク&ブレーキと、各輪のブレーキを自動制御する機能を発達させています。車体の上下動を“予測”して振動を低減させたり、カーブではエンジンブレーキを利かせてドライバーのフットブレーキ操作を補助したり、さらに、4輪のブレーキを個別に制御してコーナリング時のトレース性を上げたりしてくれるのです。

ドライバーズシートに座ると、脇のトンネルコンソールに“オールモード 4×4-i”用のダイヤルが設けられています。これは、エンジンから取り出された駆動力を、電子制御多板クラッチを介し、必要に応じたトルクをリアタイヤへと送ってやるシステム。

「AUTOモード」では、前輪駆動をベースに、最大50%の駆動力を後輪へと与えます。雪道では頼もしい。もちろん、万が一スタックした時のために、前後のトルク配分を50:50に固定する「LOCKモード」も備わります。さらに、燃費向上のためか「2WDモード(前輪駆動)」も用意されますが、個人的には、あまり必要性を感じません。一般的な道でも、時に路面が濡れていたり、舗装が荒れていたりと、急にコンディションが変わることがあるので、AUTOモードの方が安心感が高いからです。

さて、今回の目玉モデルが、電動駆動の「リーフ」と「ノート e-POWER」。このうち、ピュアEV(電気自動車)たるリーフに試乗することができました。

日産自動車の最新EVを氷上を走らせてみると、うーむ、なんだか不思議な感覚です。いうまでもなく、物理的な壁を超えることはできませんが、慎重にドライブしている限り、あたかも4輪が氷面に吸い付いているかのようにグリップし、かつ舵もしっかり利く。そろりそろりと走っている間中、常時、VDCの作動灯が点滅しているので、クルマ側が相当頑張っているのが分かります。

リーフには、減速時の回生機能と機械的なブレーキを協調制御することで、アクセルペダルだけで走れる“e-ペダル”機能が搭載されていますが、加速だけでなく、減速もアクセルペダルでコントロールできるワンペダルドライブも、低μ路のドライブに合っています。

ペダルを踏み込んで速度を上げ、戻す際には、その量によって、モーターのマイナストルクとフットブレーキを協調制御し、システム側で減速度を調整してくれるからです。元々、ある程度、先を見越してペダル操作する必要があるので、必然的に運転操作が丁寧になる特性のあるe-ペダルですが、減速Gの出方が穏やか、かつ細やかなので、氷の上でも破綻しにくい。安定して、発進、加速、減速、そして止まることができます。

冒頭に記したZのように、一般的な内燃機関のクルマでも、最近の電子的なシャーシ制御は自然、かつ効果的なデバイスに進化していますが、EV系のそれらからは、ちょっと次元が違う印象を受けました。日産自動車のスタッフの方たちに話をうかがうと、そのヒミツは「制御のスピードにある」といいます。

つまり、こういうことです。クルマが滑る予兆を感知したら、パワーユニットからの出力を絞りたい。その時、内燃機関の場合、燃料の噴射量を減らすのですが、内燃機関は一度の爆発で「圧縮-燃料噴射」「爆発-膨張」「排気」「吸気」と4つの行程をこなすので、燃料を絞っても、制御の結果が現れるまでにタイムロスが生じるのだとか。一方、EVの場合、モーターに与える電気の量を変えれば、すぐさま反応します。その速度たるや、なんと1万分の1秒レベル! 内燃機関のクルマと比べると、まさにケタ違いに精密なコントロールができるわけです。

新しいリーフも、挙動が乱れ始めた場合、各輪のブレーキを個別に制御するVDCが働くのですが、実際には、その一歩手前で“トラクションコントロール”を作動させ、クルマがとっちらかるのを未然に防ぐ。まさに「転ばぬ先の杖」といえます。

VDCに関しても、現状では内燃機関のクルマと同様、油圧を介して各輪のブレーキを動かす必要がありますが、例えば将来的に、左右に別々の駆動モーターを搭載すれば、それこそ、光の速度で左右輪をコントロールできるのです。乱れた挙動を正すだけでなく、通常走行時のヨー(回転運動)コントロールがはるかに高精度で実現できますから、全く新しい“走り”や、安全性の高い自動運転が視野に入ってきます。

こうした技術は、外野が想像するほど実用に供するのは簡単ではないですし、商品化に向けては、さらにコストの問題がかかわってハードルが高くなりますが、何はともあれ、EVの未来がますます楽しみになってきました!

<SPECIFICATIONS>
☆リーフ G
ボディサイズ:L4480×W1790×H1540mm
車重:1520kg
駆動方式:FF
最高出力:150馬力/3283〜9795回転
最大トルク:32.6kg-m/0〜3283回転
価格:399万600円

(文&写真/ダン・アオキ)


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