自殺者の遺体を映したムービーで大炎上したYouTuberローガン・ポールが「自殺防止を訴えるムービー」を投稿

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2018年1月、アメリカの人気YouTuberローガン・ポール氏が青木ケ原の樹海で自殺した男性の遺体を撮影したムービーをアップした出来事は、非常に大きな炎上騒ぎとなって世界各国のニュースに取り上げられました。ポール氏はそれ以前にも悪ふざけをしたムービーを投稿していましたが、遺体を撮影の道具として利用するその姿勢が人々の怒りを招いた結果となっています。

世界中で大炎上中のYouTuberローガン・ポールは日本で一体何をしでかしたのか? – GIGAZINE

ポール氏は一連騒動を受けて、自身のYouTubeチャンネルに謝罪動画を投稿するなど、素早い対応で反省の色を見せていました。

So Sorry.

そして、騒動からわずか3週間後の2018年1月24日(水)には、ポール氏はYouTubeに「自殺防止」を訴えるムービーを公開しています。

Suicide: Be Here Tomorrow

世界では年間80万人もの人々が自ら命を絶っており、時間にすると40秒に1人が自殺しているとのこと。

大きな橋の映像をバックに、「私は40分間、橋の上で立ち尽くして赤ちゃんのように泣いていた」という男性の言葉。

「誰も彼もが私の後ろを通り過ぎて、誰一人として泣いている私のことを気にかけてはくれなかった。たとえ警察官でもね。涙がこぼれ落ちて、頭の中で声が聞こえた。『今だ!さっさと飛び降りるんだ!』って」と語るのはケビン・ハインズさん。ケビンさんは元自殺志願者で、19歳の時にゴールデン・ゲート・ブリッジから飛び降り自殺未遂をした経験があります。

世界では若者の死因第2位が自殺とのこと。なお、厚生労働省の調査によると日本では20歳から39歳の死因トップが自殺となっており、そのほかの年代でも自殺は死因の上位を占めます。

「だけど、飛び降りて宙に浮いた瞬間に頭の中を占めたのは『後悔』だった」とケビンさん。

ポール氏は真剣な表情でケビンさんの「『生きたい』と必死に願ったよ……でもそれは、あまりにも遅すぎる願いだった」という言葉に耳を傾けます。以前のムービーに比べると、髪が短くなっています。

「大きな過ちを犯してから三週間、『自殺』という問題について考えていた僕は、ケビンを初めとするさまざまな人たちと出会った」とポール氏は語ります。

青木ケ原樹海の遺体を映したムービーが炎上してから、ポール氏はあらゆるメディアで非難されました。「SNSスターが大炎上」「ローガン・ポールは救いようのないバカ」「とんでもない失態を犯した」「決して許されるべきではない」

ポール氏は謝罪動画をアップするなどして事態の沈静化を図りましたが、そう簡単に非難の勢いは止みませんでした。

この騒動を受けて、ポール氏は過去の過ちをしっかりと見つめ直し、自身の行いについて真剣に考え直すことに決めたとのこと。

「僕はこれまでに、これほどの非難を受けたことがなかった」

「ショックを受けた?」とポール氏に聞くのは、薬物などの中毒者を治療する「アロ・ハウスセンター」の創設者であるボブ・フォレスト氏。

「僕は無知だった」と述べるポール氏には、これまで自ら命を絶った知り合いがおらず、自殺問題がこれほどまでに大きなものだとは知らなかったとのこと。

「だが君の住むオハイオ州では、死因第2位が自殺だ」

次にポール氏は、アメリカの国家自殺予防ライフラインの責任者であるジョン・ドレーパー博士と面会。

「自殺問題に関して、人々が『私には何ができるのか?』を考えることが大切だ」とドレーパー博士は言います。

「向こうがこちらに助けを求めるのを待つんじゃなく、こちらから手を差し伸べるんだ。『君は一人じゃない』とね」

「自殺の縁にいる人たちは崖に腕一本でぶら下がっているようなものだ。私たちが彼らに寄り添うことができれば、彼らはもう少し長く、崖に掴まっていられる」

ポール氏は「僕を含め、もっとみんなが他の人々に対して共感的になることが大切だ」と言います。

「ドレーパー博士が教えてくれた、『誰もが自殺防止に役立てる5つのステップ』がある」

「1つ目は、『尋ねること』。近くの誰かでもいい、自分でもいい、心配になったら『自殺を考えたりしてない?』と聞いてみるんだ。非常に難しい質問だけど、これが命を救う手助けになる」

「こちらが尋ねた後にするべきことは1つ、2つ目のステップは『話を聞くこと』だ。相手の悩みに独断的な評価を下すことなく、ただ聞いてあげることが大事なんだ」

「3つ目は『そばにいること』。話が終わったから去るのではなく、相手に寄り添って信頼関係を築くことが必要だ」

「そして4つ目は、彼らを他の何かと『つなげる』こと。友達・家族・地域の自殺防止センター、なんでもいい。彼らの悩みを他の誰かと共有することで、彼らはたった一人で思い悩んでいたそれまでの状況から解放される。一人で問題を背負い込んで解決しなくてもよくなる」

「最後は『気にかける』ことだ。電話で『最近どう?』って聞いたり、『今度、一緒に遊ぼうよ』とかそんなことでいい。『あなたを気にかけている人がいる。あなたは孤独じゃない』ということを態度で示すんだ」

そしてドレーパー博士がポール氏に紹介したのが、ケビンさんでした。

「私が自殺未遂の経験を話すと、みんなは『私だったらそんなことで自殺しない』って言うんだ。自分が抱えている悩みをしゃべるときとは対照的にね」

「私が自身の体験を話すことでそう思える人々がいる、ならば私はいろんなところで話をしていかなければならない」

ポール氏は「『6人に1人の高校生が自殺を考えたことがある』という話を聞いて、本当に衝撃を受けた」と語ります。「これはどこか遠い世界の話じゃなくて、みんなで考えるべき問題だと思ったんだ」

「ポール。19歳の私は、誰かに目を見て『大丈夫?』って言って欲しかったんだ。ただそれだけ、ほんの1人だけでもそうしてくれる人がいるだけでよかった」

「今では生きていることに感謝しているよ」

「あなたは、19歳の自分になんと声をかけてあげたいですか?」と尋ねるポール氏。

「私は、私の肩に手を置いて、『私はいつでもここに、君のそばにいるよ』『だから大丈夫だ』と言ってあげたい」と、ケビン氏は声を詰まらせながら語りました。

「私たちは、他の誰かの悩みに対して真剣になって一緒に悩んであげられる社会を作らなければならないんだ。一緒になって悩んで、その中で地獄を見ることもあるだろう。誰かに真摯に寄り添うとはそういうことだ。それでも、私たちはそこにいる誰かの悩みに気づき、道を模索するべきなんだ」

「本当に、あなたのお話が聞けてよかった。ありがとう」

対談の後、ポール氏とケビンさんは抱擁を交わしました。

ポール氏は今後社会問題に対して真剣に議論を交わすと言い、各種自殺予防団体に合計で100万ドル(約1億1000万円)の寄付をすると約束。まずはローガン博士の所属する国家自殺予防ライフラインに25万ドル(約2800万円)を寄付する予定だと述べました。

「たった今、あなたやあなたの友人が苦しんでいる危機は、決して永遠に続く苦しみじゃない。いずれその苦しみを乗り越えられる日がきっと来る」

「だからあきらめてしまう前に、あなたの苦しみを理解してくれる相談窓口に連絡してほしい」

「今回の件で、僕はこれからの人生を自殺問題の解決を考えながら生きることに決めた。人生が変わったんだ。これはまだ始まったばかりだけど、これは感謝すべきことだと思う」

最後に国家自殺予防ライフラインの電話番号を紹介し、ムービーは終わりました。

なお、ポール氏がムービーで紹介したのはアメリカの自殺防止ライフラインですが、日本にも自殺防止対策の電話・インターネット相談窓口が多数開設されています。

一般社団法人日本いのちの電話連盟
https://www.inochinodenwa.org/

いのちのつながり|自殺対策支援センターライフリンク
http://www.lifelink.or.jp/hp/link.html

相談窓口|ひとりぼっちのあなたへ
http://www.nhk.or.jp/heart-net/ikiru/soudan/

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