【マツダ CX-8雪上試乗】雪道でも“意のまま”の走りは不変!乗り心地は望外に快適

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クルマを運転する人にとって、冬ほど悲喜こもごも、いろいろな感情が入り混じる季節はないと思います。

降雪地域に住んでいる人なら「またこの季節が来たか…」、ウインタースポーツを楽しむ人であれば「待ちに待った!」と、空から舞う雪を眺めながら思うことでしょう。

筆者はといえば、スキー好きなので雪は歓迎(降雪地にお住まいの方、すいません…)なのですが、同時に、慣れない雪道走行でぐったりする、ということも少なくありません。いい換えるならば、雪道を走る場合は、クルマの性能や扱いやすさが問われる、ということでもあります。

レジャーの足としてはもちろん、降雪地においても人気のSUV。中でも、最近の注目モデルといえば、マツダ「CX-8」だと思います。そんな人気モデルを、北海道の雪上でテストドライブしてきましたので、その印象をお伝えすることにしましょう。

2017年末に訪れたのは、北海道の剣淵町。旭川から北に50kmほどの距離にある町ですが、同地にあるマツダの冬季試験場で、雪上試乗会が行われました。

当日は多彩なプログラムが用意されていましたが、その中のCX-8公道試乗は、個人的には非常に興味がありつつも、実は腰が引けていた、というのが本音です。というのも、本格的な雪道は今シーズン初めてですし、何しろ相手は、車重1.9トンというミドルクラスのSUV。やはり相応の緊張感が伴います。

雪上試乗会に先駆け、都内近郊での公道試乗は体験しており、その落ち着きある乗り味はもちろん、自然な操縦感覚もしっかり印象に残っています。とはいえ、雪道ともなれば、路面のミュー(摩擦係数)が低いので、ドライバーは精神的にも疲れますし、チェーンなどでできた細かく不規則な凹凸からくる振動は、同乗者にとって心地いいものではありません。

そんな不安を抱えつつステアリングを握ったのは、シリーズの中間グレードである「XDプロアクティブ」の4WDモデル。結論からいってしまえば、ドライブ前に抱いた不安は全くの杞憂であったことは、クルマが動き出した直後に分かりました。

路面はしっかり踏み固められた新雪なので、雪道としては走りやすく、CX-8はドライバーの意図するとおり、じわっと動き出し、スムーズに速度を上げていきます。搭載するエンジンは“スカイアクティブ-D”と呼ばれる排気量2.2リッターのディーゼルターボで、最高出力は190馬力、最大トルクは45.9kg-mというスペック。その数字だけを見えると、アクセルペダルに軽く力を込めるだけで、強大なトルクを武器に信号ダッシュで周りをリードする…というタイプを想像する人もいるかもしれませんが、さにあらず。

もちろん、ドライ路面で大きくアクセルペダルを踏み込めば、力強い加速を味わうことができますが、そっと発進したい時はドライバーの意思、そして、右足の動きに合わせて、じわりと動きだします。軽快さやパワフルさの演出として、発進から低速域でパワーの立ち上がりを強調している車種も多々ありますが、雪道ではやはり、ドライバーの操作に対して素直なクルマが扱いやすいのはいうまでもないでしょう。

また、じんわりアクセルペダルを踏み込むものの、ソールの厚いスノーブーツやアウトドア用シューズでは感覚が伝わりづらいことがありますが、CX-8のオルガン式アクセルペダルは配置や踏み応えなど、扱いやすさも良好といえるでしょう。そんな操作性もチェックしつつ、市街地やカントリーロードなど、一般的な使い方に合ったコースを選び、テストドライブへと出掛けました。

さて、CX-8が採用するマツダの4WDシステム“i-アクティブ AWD”は、路面や気象の変化に合わせてドライバーがスイッチなどを操作する必要がない、電子制御の“アクティブオンデマンド方式”を採用。メカニズム的には、電子制御アクティブトルクコントロールカップリングにより、エンジントルクの配分を2WD(FF)相当から、前後50:50の直結4WDに可変させる仕組みになっています。

オンデマンド式は、さまざまなシチュエーションに対応できるというメリットがある一方、かつてはトルク配分の制御が難しく、発進時などは違和感を覚えることもありました。マツダでは、アクセル開度やステアリング角度のほか、速度、外気温度、勾配など、20個を超えるセンサーによって毎秒200回も検知することで、必要な後輪トルクを演算し、必要な時に必要なトルクを後輪へ配分することを可能としています。また、前輪走行時も微小なトルクを後輪へ伝達させることで、後輪トルクが必要となった時も瞬時に反応できる状態となっており、4WDへのスムーズな移行と自然なフィーリングを実現しています。

実際に、雪の積もった街中を走行してみるとどうか? というと、信号や坂道でのスタートに遭遇しても、4輪のどれかが空転するということはなく、その気配さえ感じることはありませんでした。また、一般的な速度でコーナーを通過する際も、前後輪がしっかりと路面をつかみ、駆動力や操舵力が抜けるような気配もありません。もちろん、ドライバーとしても加速・減速で急なアクションをしないよう心掛けていましたが、周囲の状況からイメージどおりの走りができるというのは、雪道ではやっぱり心強いな、というのが正直な感想です。

マツダといえば、CX-8に限らず、開発テーマのひとつとして「意のままの走り」、「人馬一体」を掲げています。クルマが好きな人であれば、こうしたキーワードから想像するのは、スポーツモデルなどでワインディングを走った時、思いどおりにクルマをコントロールできる、ということかもしれません。

しかし、マツダの開発陣が目指しているのは、路面や交通環境など関係なく、あらゆるシチュエーションにおいて、運転しやすく、“意図したとおりに走り、曲がり、止まれる”ということ。ドライバーが“こうしたい”という感覚に素直に反応し、その動きが自然であるということが、雪道を安心、安全に走る上でいかに大切なのか、ということを、CX-8を通じてあらためて痛感した、といったらいい過ぎでしょうか。

そして、CX-8で雪道を走って感心したことがもうひとつ。それは、しっかりしたボディが生み出す快適な乗り心地でした。路面が締まった北海道の雪道とはいえ、除雪車などチェーンを装着した大型車が通過した直後などは、路面には結構な凹凸があり、キャビン内に細かい振動やノイズが伝わってくるもの。しかし、CX-8はこうした不快な感触がしっかり遮断されており、フロアやシートの振動や室内の騒音は、舗装の荒れたアスファルト路面を走っているレベルに抑えられていたのも印象的でした。

いささか褒めすぎな感もあるCX-8ですが、ユーティリティや価格などを勘案しても、ミドルラスSUVにおいて頭ひとつリードしているというのが事実。個人的には、雪道ドライブが億劫になりつつあり、スキーへ行くにも天気予報を眺めては一喜一憂という状況でですが、「ああ、CX-8だったらもっと気軽に出掛けられそう」と思いました。とはいえ、いかに最新SUVが優れた電子制御技術や4WDシステム、スタッドレスタイヤを備えているとはいえ、物理の法則を超越することはできません。雪道ドライブにお出掛けの際は、十分にご注意を。

<SPECIFICATIONS>
☆XD プロアクティブ(4WD)
ボディサイズ:L4900×W1840×H1730mm
車重:1880kg
駆動方式:4WD
エンジン:2188cc 直列4気筒 ディーゼル ターボ
トランスミッション:6速AT
最高出力:190馬力/4500回転
最大トルク:45.9kg-m/2000回転
価格:376万9200円

(文&写真/村田尚之)

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