2018年となった現在でも、今だ解決されていない6つの科学の謎

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 科学の進歩は目覚ましい。すでに宇宙やこの世界、あるいは人間の根本的な謎をいくつも解明してきた。だがすべてが解決されたわけではない。

 これまで数十年、あるいは数世紀も議論され続けてきた問いには、人類の不屈の意志によって答えが導き出されてきたが、今もなお科学者が徹夜で頭脳を回転させている謎がある。ここではそうした科学の謎を6つ紹介しよう。

1. なぜ眠るのか

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 なぜ眠らねばならないのか? 明らかなようでその答えは想像以上に複雑だ。睡眠の科学は、眠りと脳の活動との関係をいくばくかの光で照らしてきたが、それは未完のパズルのピースをいくつかもたらしたに過ぎない。

 人間とはかけ離れた睡眠パターンの動物もいることが、謎をさらに深いものにしている。UCLAの精神医学の教授ジェリー・シーゲルは、動物の睡眠を研究し、なぜ人間が毎晩冬眠のような状態にならねばならないのか探っている。

 「人間と動物の睡眠が異なるのは、我々が1日24時間起きていたいからです。ですが自然界において、大きなエネルギーを消費する動物は生き残れません」(シーゲル教授)

 自然界は不活発であることを重視する。例えば冬眠はエネルギーが必要のない時期に動物がそれを節約し、回復する手段だ。

 「数多くの種にとって、省エネこそが睡眠を進化させた主な動機です」(シーゲル教授)

 一方、野生のアフリカゾウは1日に2時間しか寝ない。それはその巨体を維持するために食べ続けなければならないからだと思われる。

 こうした省エネ仮説は、多くの科学者が我々の睡眠の説明として支持するものだ。最近では睡眠中の脳活動を観察する技術が登場したことで、睡眠の謎の答えにさらに一歩近くことができた。

 例えば、睡眠中の脳には不要な情報を排除するメカニズムがある。ウィスコンシン大学マディソン校のジュリオ・トノーニ教授は、「睡眠は学習の対価」と説明する。

 睡眠中のマウスの実験から、眠った後は眠る前と比べてシナプスが小さくなっていることが判明。ここから、覚醒中に集めた情報を固着させるために脳の活動を低下させねばならないのだとトノーニ教授らは結論づけた。

 日中、脳は膨大な情報に晒されるため、それを強固な神経結合で強化せねばならない。しかし古い情報と新しい情報を統合するには、結合を弱めてそれを吸収せねばならない。つまり睡眠によって脳は新しい情報を成形しやすいようにして、古い情報に組み込もうとするのだ。

 説得力のある仮説であるが、そのために睡眠が本当に必要なのか証明されたわけではない。睡眠の謎の完全な解明には、覚醒時と睡眠時の脳活動についてより一層の理解が必要になる。今の時点で確かなことは、眠らなければ人は機能しないということだろう。

2. ダークマターはなぜ見えないのか?その正体は?

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 既知の宇宙の26パーセント以上を占める物質であるというのに、その姿は見えない。1922年にその存在が提唱されて現在までに、観測可能な物質との相互作用からダークマターがあるらしいことは知ることができた。だが見えないのは相変わらずだ。

 我々が見ることができる物質のほとんどは、中性子、陽子、電子で構成されている。しかしダークマターはその限りではない。

 今のところ分類できない粒子で構成されており、光との作用もまったく異なる。光を吸収も反射も放出もしない。だがその重力は周囲を通過する光を曲げる――ダークマターの存在を窺えるのもこのおかげだ。

 最近ではCERNの大型ハドロン衝突型加速器で極小の粒子を加速・衝突させた上で、そこに生じるエネルギーと運動を研究し、見えない物質を特定しようと試みられている。また重量波検出器ならそれを見られる可能性も示唆されている。

3. 宇宙はいかにして誕生したのか?

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 宇宙開闢の瞬間の謎に科学者はじりじりと迫りつつあるが、やはり謎のままである。

 「誕生の瞬間における理論やモデルはすべて憶測に過ぎません」とオハイオ州立大学の宇宙物理学者ポール・サッター氏は話す。

 最も有名な「ビッグバン理論」は、およそ138億年前に極端に熱く高密度の特異点から宇宙が膨張したと説明する。だが爆発によって無から物質が誕生したと考えるなら、それは誤解だ。

 「ビッグバンは宇宙のあらゆる場所で一斉に起こっています。それは宇宙の中の爆発ではなく、宇宙の爆発なのです」(サッター氏)

 だがその具体的なプロセスやその以前そこがどういう状態だったのかは不明だ。誕生から30万年しか経っていない宇宙の姿を垣間見ることはできたが、最初の瞬間に働いている極限の力については推測の域を出ない。

 「重力の量子的側面について完全に理解されていないため、最初期の瞬間(10のマイナス40乗秒)については分かりません」(サッター氏)

 最近では困ったことに、粒子物理学の標準モデルではビッグバンの作り出した物質の大半を説明できないため、それが覆される可能性があることをCERNが認めている。

4. プラネットナイン(第9惑星)はどこにあるのか?

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 カイパーベルトの向こうで、謎の天体群が太陽を公転している。それは海王星の向こうを軌道しているのだが、予測されたパターンと一致しないように見える。そのほとんどは海王星の重力に捕らわれ、その周りを回っている。

 しかし、一部、非常に大きな質量を持つ何かによって外側に引っ張られているように見えるものがあるのだ。

 カリフォルニア工科大学のコンスタンティン・バティギン助教は、この異常が少なくとも部分的には「プラネットナイン」という太陽系9番目の惑星に起因すると考えている。

 太陽系を巨大な円盤と想像してみてほしい。問題の奇妙な挙動をする天体は円盤の外側に向かって曲がっているように見える。このような影響を与えるには、プラネットナインは地球よりも大きな質量を持つ必要がある。

 はっきりとした質量があるはずであるのに、その存在はまだ証明されていない。もしかしたら、まだ観測から時間が経っていないからかもしれない。なにしろプラネットナインが提唱されたのは2014年のことだ。

 だがそれだけでもないだろう。
 
 「すごく暗いことも原因だと思います。世界最高の望遠鏡でどうにか発見できるかというところではないでしょうか」(バティギン助教)

 赤外線解析は問題外だ。感度が低すぎる。ゆえに反射光が探されることになるが、これは赤外線解析よりもずっと難しい。

 プラネットナインが反射する光は、太陽から放たれ、その最果てにある惑星に当たって跳ね返り、ようやく地球に戻ってくるものである。反射光は長距離を移動する内に指数関数的に減衰する。これが惑星の発見を阻んでいると考えられる。

 将来的に登場するより高感度の望遠鏡ならそれを捉えられるかもしれない。また専門家はコンピューターシミュレーションでその軌道を解析し、観測が可能な場所と時期を特定しようともしている。

関連記事:惑星X「第9惑星」は、太陽系に捕われた放浪する惑星である可能性が浮上

5. 音で頭がゾワゾワするのはなぜか?

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 優しい音を流しながら、ひそひそ声で囁きかけるユーチューブの動画を観て、柔らかい布でマッサージされているような感覚や、髪の毛にかすかな振動があるような感覚を覚えたことはあるだろうか。

 特殊なマイクが与えてくれるこの感覚をASMRという。なんと90パーセントの人がこの頭がゾワゾワするような感覚を感じ、気持ちが癒される。中にはその音で頭皮をマッサージされているかのような感覚まで覚える人がいるのだ。


ASMR Explained

 シェナンドー大学で生物薬学を教えるクレイグ・リチャード教授は、2013年からこの感覚について研究を始め、ASMRユニバーシティを創立した。

 「ASMRの科学はまだ始まったばかりです」(リチャード教授)

 これまでの研究では、ASMRを感じる人と感じない人とでは機能的結合(fMRIで明るくなる脳領域)が違うことが分かっている。

 では、なぜ感じる人と感じない人がいるのか? そもそもなぜこのような感覚があるのか?

 「万人を納得させるようなたった1つの説明は今後も登場しないのではないでしょうか」(リチャード教授)

関連記事:脳がとろける感覚を体感できる、自律感覚絶頂反応を呼び起こすASMR動画

6. 知的な異星人はどこにいるのか?

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 138億年という宇宙の年齢とその広さを考えれば、これまで知的生命の手がかりすら発見されていないという現実は理解に苦しむところだ。

 この矛盾を説明するために、これまで数多くの仮説が提唱されてきた。

 例えば、地殻変動によって文明が接触できなくなったという説や、遠方の衛星の分厚い氷と岩石の中に閉じ込められているという説がある。

 仮に地球外生命が太陽系に存在するのであれば、それは知性などない微生物である可能性が高いと推測されている。

 現在、そうした生命がいるかもしれないと考えられているのは、土星や木星の衛星のような小さな氷の惑星の中である。

 NASAは、豊富な水があれば地球外生命が誕生する可能性があるとの前提に立ち、そうした衛星の海の組成や状態を調査している。これまでのところガリレオ探査機の発見などから推論するしかないが、次の10年では木星の氷の衛星エウロパの調査も行われる。

 だがもし本当に地球外生命を発見できたとして、我々はそれを認識することができるだろうか? 炭素を基礎とし、生命維持に水を使うお馴染みの生命体だけを探せば、それは可能性を制限することになるかもしれない。

 また異星人から届くメッセージと宇宙に生じる単なるノイズもきちんと区別できなければならない。これはちっとも簡単なことではない。メッセージを他の周波数から区別できないのだとすれば? さらに彼らが発見されることを望まないことだってある。

 いずれにせよ、探求はまだ始まったばかり、まだまだこれからだ。

References:It’s 2018. Here Are Six Scientific Mysteries We Still Haven’t Solved./ translated by hiroching / edited by parumo
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