行き過ぎた指導で、子供を死なせてしまう「指導死」。横暴な教師はなぜ減らないのか

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不適切な生徒指導が招いた子どもの自殺は「指導死」と呼ばれることがある

 福井県池田町の中学校で2017年3月、中学2年の男子生徒が校舎から転落した。

 自殺と見られている。学校事故等調査委員会は、副担任による叱責がくり消されていたことを指摘。また、目撃した生徒の話として、担任が「身震いするくらい怒っていた」という。

 当時の教務主任が担任に対して「正しいことであっても、男子生徒には伝わらない」として、指導方法を考えるように促していた。

 また、他の教員から「そんなに強い口調で言わないといけないのか」と言われていることもわかった。母親は「教師によるいじめ」が自殺の原因だと訴える。

 こうした不適切な生徒指導が招いた子どもの自殺は「指導死」と呼ばれることがある。

 自らの次男、陵平くん(当時13)が、学校内でお菓子を口にした際の、指導に起因した自殺で亡くし、のちに「指導死親の会」を設立した、共同代表の大貫隆志さん(60)が07年に作った言葉だ。

「指導死」親の会共同代表、大貫隆志氏。大貫氏自身も、「指導死」により息子を失った

「当初は団体を4人でやっていましたが、この問題の反応がよくなかったので、言葉と定義を作ったほうがいい、ということになり、考えたものです」

 大貫さんによると、児童生徒が死に至るきっかけとして、

1)不適切な言動や暴力等を用いた「指導」を、教員から受けたり見聞きすること
2)妥当性、教育的配慮を欠く中で、教員から独断的、場当たり的な制裁が加えられる
3)長時間の身体の拘束や反省や謝罪、妥当性を欠いたペナルティー等を強要される
4)暴行罪や傷害罪、児童虐待防止法での「虐待」に相当する教員の行為ーがあること

 と定義する。

「当初は、定義の1)だけでも説明できていたのですが、情報が集まってくるにつれ、見直しました」

 2015年12月、広島県府中町の中学3年の男子生徒(当時15)が誤った万引きの記録に基づいて進路指導を受けた後に自殺した。

 調査委員会は、事実誤認に基づいた生徒指導が自殺の要因とする報告書を提出している。万引きをしたのは別の生徒で、対応した教諭から口頭で報告を受け生徒指導部の担当教諭が作成した。そのとき、生徒の名前を入力ミスをしていた。

「このケースでは、もともとは中学3年のときに問題行動があれば高校推薦しないというルールだったものが、1年生のときからも含めると変更されていました。それを生徒には伝えない上、圧迫をかけてきたと言われています」

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