北朝鮮の新型ICBM「火星15型」は米国本土に届く“核ミサイル”か? そのメカニズムと能力を分析

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朝鮮中央テレビが放送した火星15型の発射の瞬間 Image Credit: KCTV

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は2017年11月29日3時18分ごろ(日本時間)、新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15型」を、北朝鮮西岸の平城(ピョンソン)付近から発射した。

 その日の午後、北朝鮮は国営の朝鮮中央テレビを通じ、”重大報道”として、「米国本土全域を攻撃できる新型のICBM『火星15型』の発射実験に成功した」と発表。翌30日には朝鮮中央通信なども大々的に取り上げた。

 公開された写真などから、この火星15型は、これまでに知られている北朝鮮のICBM「火星14型」とは異なる、新しいミサイルであることがわかった。そして、これまでより大きく重い弾頭――たとえば核弾頭――を、米国本土全域へ飛ばせるミサイルである可能性も高い。

まったく新型のミサイル「火星15型」

 火星15型の発射、飛行は日米韓などによって追跡され、それによると最高到達高度は約4500kmにまで達し、約960kmを飛翔して、発射から約54分後に日本の排他的経済水域(EEZ)内の日本海に落下したとされる。

 ここ最近の北朝鮮のミサイル発射の例に洩れず、今回もまた、わざと高い角度で発射して高度を高く取り、その分飛距離を抑える“ロフテッド軌道”で発射された。しかし到達高度4500kmというのは、これまででもっとも高く、つまりより遠くへ飛べる、少なくとも火星14型より能力が向上した新しいミサイルであることは早い段階からわかった。

 ミサイルの専門家であるMichael Elleman氏、David Wright氏などは、もし通常の角度で発射された場合、飛翔距離は1万3000kmにも達すると分析している。これは米国の東海岸、すなわちワシントンD.C.やニューヨークにも到達可能ということを意味する。

 そして翌日に公開された写真から、火星15型は火星14型の改良型ではなく、まったく別の新型ミサイルであることが判明した。

 まず機体は、周囲の人やTEL(ミサイルの輸送、起立、発射ができる特殊車輌)などとの比較から、火星14型より一回りも二回りも大型化しており、また機体に合わせて弾頭部分も大きくなっている。つまり火星14型よりも、大きく重い弾頭を、より遠くへ飛ばせるミサイルだということである。

 なお、弾頭部分については、弾頭(核などの兵器と再突入体)がむき出しで載っているのか、それともフェアリング(保護カバー)に覆われた状態なのかについては、判別は難しい。全体の形状的には前者の可能性も考えられるが、表面の凸凹や、ミサイル搭載カメラからのものと思われる画像を見ると後者である可能性もある。いずれにせよ、火星14型などより大きな弾頭を搭載できることは間違いなく、また後者の場合は、多弾頭ミサイル(詳しくは後述)として運用できる可能性も考えられる。

 さらにTELも新型で、タイヤの数が火星14型で使われていた8×8の16輪の車輌から、9×9の18輪の車輌になっている。タイヤが増えればその分、より重いものを支えて運ぶことができるので、ミサイルが大型化しているということとも合致する。

 ちなみに、火星14型などのTELは中国企業から輸入したものと考えられているが、北朝鮮の報道では、火星15型のTELは国産であると伝えられている。

朝鮮中央テレビが放送した火星15型と、それを運んで発射するためのTELの写真。ミサイルは火星14型より大きく、そしてTELも大型化している Image Credit: KCTV

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